《MUMEI》
出逢い
あたし 西條愛美は今死ぬほど憂鬱だ

何しろ先日、物心ついた頃から
身の回りの世話をしてくれた
婆やが倒れたのだ

もう70近いから仕方無いけれど…

正直身の回りのことくらい自分でできる

だが婆やはそんなことより
あたしの心の支えだった

もう婆や無しで一週間が経とうとしている

さっきお父様に呼ばれたあたしは
お父様の部屋に向かいなから
嫌な予感しかしなかった

婆やに何かあったらどうしよう



悶々としていたらいつの間にか着いた


コンコンっ

乾いたノック音が響き渡る


…お父様??愛美だけど…

…入れ


無言で扉を開く

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