《MUMEI》 遊園地と最強コンビ悠希との待ち合わせから電車に揺られること約30分。 目的地へと辿り着いた二人は少しばかり驚いていた。 理由は2つ。 ひとつは、意外と広い敷地だったこと。 もうひとつは、思っていたより賑わっていたこと。 遊園地内は綺麗に掃除され、店も所狭し、とまではいかないが点々と並んでいる。 「どれから乗る?」 いつの間にかパンフレットを手にしていた悠希は、水月に見え易いようにしてアトラクションの配置図を開いた。 ざっと目を通した水月は、そのアトラクションの多さに再び驚くが、配置図の隅に書かれた『スタンプラリー』というものを見付けた。 「この、スタンプラリーっていうのをしてみるのもいいんじゃない?」 水月に言われて、スタンプラリーと書かれた所を見た悠希はパラパラとパンフレットを捲ってスタンプラリーの説明を読み上げ始めた。 「…このスタンプラリーをご利用するに当たっての注意。 このスタンプラリーのアトラクションは当園のトップ10の激しさ・恐怖を誇るものでございます。 …心臓・体の弱い方等はお控え下さい 尚、達成できた暁にはご褒美がございます。 スタンプを押したこのカードを受付までお持ち下さい……だって」 やる?と聞いてきた悠希に水月が頷くと悠希はまず、今二人がいる場所から一番近いアトラクションを目指した。 水月と悠希の目の前には、まるで煤などで汚れているかのように真っ黒で異様な存在感を放つ、所謂『お化け屋敷』と呼ばれる館が聳え建っていた。 前へ |次へ |
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