《MUMEI》 「委員長…!なんでこんなことを…」 「そうだぞ、委員長!!今すぐにここから出せ!!」 窓をとおして委員長の顔が見えた。私は委員長を真っ向から睨みつけ、桐生は窓をドンドンと叩く。 「そこからは出さないよ…君たちが仲直りするまではね!!」 委員長は、強くハッキリと言った。 私と桐生は口をぽかんと開けて立ち尽くしていた。 「まったく君たちは、気がつくとすぐけんかして!おかげでいつも、委員長の僕が先生に怒られるんだ!!『君のクラスではよくケンカしてるね…ちゃんと仲裁しないとダメだろ』って!!」 私達は延々と委員長の愚痴を聞かされた。 「だから、君たちにはここでこれからケンカをしないよう、きっちり仲直りしてもらうからな!!」 そう言い捨て、委員長は去っていった。 「……ケンカしてたつもりはないんだけどな…でも、そうか。そう言や、先生に何度か注意されてたっけ」 あきれた顔で私は、独り言のように話す。 「おい、仲直りって…」 桐生が何か言いかけたが、私はそれを遮って 話を続けた。 「でも、こうなったのは、もとはといえばお前のせいだからな?お前が僕に何度もつっかかってくるから…」 「はぁあ!?お前こそ、いつも俺を小馬鹿にしてただろうが!!俺だけのせいじゃねぇぞ!!」 「僕だって、お前が何も言ってこなけりゃ何も言わない………」 また言い争いが始まったことに気付き、私はしゃべるのをやめた。 (ったく、これじゃあいつまで経っても帰れない) 前へ |次へ |
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