《MUMEI》
ふと思い出す
僕は大通りを走りながら数分前に置きざりにしてきた少年の事を思い出していた。

不思議な奴だった。
歳は、そんなに離れていないだろう。
破れたボロボロの黒いマントを着ていた。
ここら辺では見かけない服だったため砂漠を越えて来たんだろう。
僕は今17歳だから、彼もそのくらいの歳だろう。
17歳で一人旅など普通では有り得ない。
きっと何かしらの事情があるんだろう。

誰にも頼らず、自分一人で・・・

そんなことを考えていたのは、爆発した場所が
僕の家かもしれないという現実から逃げたいと
思っていたからかもしれない。

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