《MUMEI》
殺意
家に着いた僕は、自分につきつけられた現実を現実だと思いたくなかった。
家の前には騎士と、その部下たちが、
そして家はもう家とはいえなかった。

「ウォーレライ様に逆らうからこうなるのだ!
ハッハッハッハッ」

ウォーレライ家
この町を維持するために資金を援助している貴族
しかし裏では過酷な労働と、多額の税金を強制している。
そして僕たち一家は、反ウォーレライ家のレジスタンスとして活動する反乱軍のリーダーだった。

だが何故ばれたんだ!
僕たちは武器を集めて町を奪還する機会を
伺っていただけで実際には、まだ行動していない。

うなだれていると、一人の男が騎士に近づいて何かを話している。
そして男は騎士から大量の金を受け取った。
あの男には見覚えがある。
たしかレジスタンスを募集するときに
真っ先に署名した男だ。
そしてアイツは僕たちを裏切って、騎士に報告を・・・
「くそぉ!」
そこまで考えて僕は怒りで我を忘れ
その男を攻撃しようとした。
だが僕の腕を誰かが掴んだ。
その人物は先程会った少年コウガだった。

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