《MUMEI》

 ―ガチャリ。
「んあぁーーーーーっ…!!!」
 ―ぷしゃあーーーーー…。
 カナは叶人から与えられる快楽に堪えきれなくなり、絶頂を迎え、ソファーに潮を吹く。
「…っ!?」
 彼方だった。カナと彼方を見ては、顔を林檎のように真っ赤に染めた。
「彼方、どうした?」
「………何やってんだ変態どもーーーっ!!!」
 ―バタンっ!!!
 彼方は勢いよく部屋から飛び出した。
「あいつ、童貞だから見てられなかったのかな?」
(お漏らししてるところ、見られた…っ!!!)
 カナは恥ずかしさのあまり、紅くなった顔を叶人に見られたくなくて、うつ伏せになった。
「隠さないで」
 叶人に肩をグッと引かれ、無理矢理仰向けに戻される。
「見ないで…?」
 紅くなった顔が彼に晒される。手で顔を隠そうとしたら、その手は叶人に捕まった。
「隠そうとするな…。次したら手を頭の上で縛るよ?」
「そんな…っ」
(どうして………)
「カナの全部を見たいんだよ」
「彼方さんがい……んんっ!?」
 カナの唇に叶人の指が押し当てられる。それ以上言うな、と言うように、カナの言葉を封じられる。
「こういう時には他の男の名を口にしちゃいけないよ?」
「弟さん、でも…?」
「駄目。言ったからオシオキな?」

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