《MUMEI》
不幸がもたらす幸福
「何へらへら笑ってんのよ!」

バシィッ!!

同じクラスの、とあるいじめっこが私の頬を叩いた。
べつになんとも思わない。だって、あまりにも滑稽だから。

(人って、なんでこんな無意味なことをするのかしら…)

私をいじめても、なんの得も損もしないのに、なんでここまでムキになって私をいじめるのかしら?私はただ、いつもどおり教室の隅っこの自分の席で人間観察を楽しんでいただけなのに。


…そう、数分前に、いつもどおり人間観察をしていたら、ちょうど観察対象だったいじめっこの…ちょっと気が強くて頭に血が登りやすい女の子と目が合っただけで、私は 今いる場所・女子トイレに呼び出されてしまったのだ。

「私、あなたの気に障るようなことしたかしら?」

平然とニヤニヤ笑いながら私が言うと、今度は、いじめっこの左手が飛んできた。

ビシィッ!!

「前から思ってたけどさぁ、花崎さんって、なんで私達クラスメートをじろじろ見てんの?キモイんだけどっ!!」

どうやら、私が人間観察をしていたことが気にくわなかったらしい。そんなにじろじろ見ていたわけじゃないが、気付かれていたのか…これからは気をつけて観察しよう。

「あら、悪い?人間観察が趣味なだけなのだけれど、あなた達の気に障るようなら別の観察対象を見つけるわ。」

一瞬驚いて、プッ…と笑い声がした。

「うわぁ〜、マジキモッ!人間観察が趣味とか!花崎さん、頭イカれてるの!?人間を観察するなら、自分を観察すればぁ〜?」

確かに、他人からすればそう思うだろう。

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