《MUMEI》
マフィアの世界
男の額に銃口を向ける少女。その男は、マフィア界のトップ・ラタテュユのボスだった。

「ま…待ってくれ!!お前、あの噂のジョーカーだよな?金はいくらでも払う…だから、命だけは…っ!!」

男は両手を頭のうしろにやり、少女に命乞いをした。
「…いかにも、私が 噂のヒットマン・ジョーカーだ。お前を片付けるためにきた。…さっさと死ね」

ドンドン!!バァンッ!!

ジョーカーの手にしていた銃から銃弾が流れだす。弾丸は、男の額を貫いた。…やがて男は動かなくなった。

「あと約2万7千2百人…まだまだだな。」

ジョーカーは、人々の亡骸を見つめてそう呟いた。ジョーカーのいる部屋は、ラタテュユのボスを含めた数十人の人々が血まみれで倒れていた。

「生き残りはゼロ…ラタテュユは壊滅か」

その場を離れようとした瞬間、目の前に長い黒髪を後ろに束ねた黒ずくめの男があらわれた。

「君が噂の、マフィア殺し・ジョーカー?かわいいね〜、お茶でも飲まない?」
軽い口調で誘うが、ジョーカーは乗らなかった。

「マフィアのリストにはいないやつだな…誰だ?」

男に銃を向けて問いかけるジョーカー。だが、銃はいつのまにか玩具のピストルにすり替えられていた。

「ごめんね〜、ジョーカーちゃん。俺は君と話がしたくてここまで来たんだ〜。だから、危ない物は没収ね〜」

そう言って、ジョーカーの持っていた武器を見せつける。

「…何が目的だ?」

ジョーカーは黒髪の男を睨み、その視線を、微笑みながらも真っ直ぐ受け止める黒髪の男。

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