《MUMEI》
彼の理由
「俺ね〜、簡単に言やあマフィア界の番人なんだけどさぁ〜、ちょっと問題発生しちゃってね〜」

ジョーカーの武器をくるくると回しながら、男は身分を明かす。

「『鋼の番人』って聞いたことない?あれ、俺のことなんだよね〜」

「マフィアでないなら身分なんてどうでもいい。私は目的を聞いているんだ。さっさと答えろ」

さっきよりもキツく睨むジョーカー。

「…マフィアという存在が裏社会から表社会に引きずり出されて、はや20年…鋼の番人、つまり俺がマフィア界の警察的存在になったのもそのころだ」

男の話を、警戒しながら聞いているジョーカー。男の口調が変わり、真剣な表情を見せる。

「警察的存在ってなわけだし、まあこっちの世界にも掟とかはあるんだよね」


「…つまり?」

「ヒットマンの役職に就いたら、必ずどこかのマフィアに属すること…ていう掟があるの、知ってる?」


長々と話をする鋼の番人に苛つきを見せはじめたジョーカー。そんなジョーカーの様子を知ってか知らずか、ようやく本題に入る。


「ジョーカー…君は、どのマフィアにも属していない。どこでも良いから、いずれかのマフィアに属してくんない?じゃないと、処罰対象になっちゃうよ」


ジョーカーの持っていた銃をジョーカーの心臓に向ける鋼の番人。番人と目が合うなり、ジョーカーはかすかに笑みを浮かべる。


「その銃では、私を殺せない。…その呪われた銃では……」

『呪われた銃』という言葉が引っ掛かり、番人はジョーカーにそのことを聞こうとするが、外から、ジョーカーが殲滅したマフィアの仲間が来て、二人の話に水をさす。

「なんだ、これは…!?」

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