《MUMEI》
友達思い
   〜歩視点〜


・・・・・・ふぅ。

勢いで教室出て来ちゃったけど


これからどぉするかなぁ〜?

行くところないし。


かと言って

麗羅チャンの顔みたら

麗羅チャンのこと

責めちゃいそうだから

教室戻りたくないし・・・。


今日も屋上行くか。


すると携帯が鳴った。


メールを見ると

海だった。

「今どこ??」


海は優しいなぁ〜。


俺は海に

「今から屋上行くとこ。」

って返した。


青い空を見たら

気持ちも

晴れるんじゃないかってね。


屋上までの階段を

1段1段上がっていく。


屋上のドアを開けると


爽やかな春の風に

青い空。



そして息を切らした海がいた。

「歩・・・!おせぇよ!」


「お前が早いんだよ・・・!」


「走ってきたかんな☆」


何となく涙が

出そうになった。


酸っぱいだけの青春が

思った以上に

辛くて・・・・・

苦しくて・・・・・・。


海の優しさが少し傷にしみた。


下唇を噛んで涙を堪える俺に

海は優しく微笑んだ。

「歩!!

元気だせよ!お前らしくないぜ☆

それにまだ麗羅チャンは

村上とは付き合ってないんだし

まだお前にも

チャンスあんだろ!!

それとも諦めんのか?


話聞くし、頑張れよ☆」


海は、人の心が読めるのだろうか?

そう思ってしまうぐらい

海の言葉は

俺に浸透していった。

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