《MUMEI》
昴side
君が笑わなくなっていたことは

気づいてた

俺のせいじゃないって

自分に言い聞かせて!!



ガチャ


リビングに入った

真っ暗だった

テーブルにも夕飯は置かれてなかった…

「クソっ…!!」

ここにはいない

どこだ!!栞!!











走って、探した


見つけたのは公園だった

栞はベンチに倒れていた

「栞!!」

栞の側に居なかったことを後悔した

栞はすごい熱だった

「ごめん…栞…」

一人は嫌だと言っていた

一人して

一人で俺を待ってたんだ……

「ごめん…!!」

何度謝っても許されないだろう

「昴!!」

「その子…!!」

「早く車に乗れ!!」

何かを察したんだろう

栞を抱き上げ車に乗り込んだ

「生きてるよね…」

怜がそう言ったのは

栞の顔が真っ青過ぎているからだろう

血の気なんて全くない……

お前を全然守れてないことを改めて

実感する……

「………寒……い…………………」

「!!」

抱き締める腕に力が入った

「しばらく、顔出せねぇ」

今、栞と離れたら

取り返しつかないことになりそうなんだ……

「条件付きならいい」

条件付きか…

「嗚呼、わかった」

どんな条件でもいい

「栞ちゃんのそばを離れないことが条件」

「フッ……嗚呼、絶対に約束する」

本当にいい仲間だ

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