《MUMEI》
夏休み
橘家&桐生の会食が終わり、次の週末には夏休みに突入した。僕はというと、夏休み初日に宿題を殆ど終わらせてしまったため暇で仕方なかったりする。家に居てもやることがないためここ数日は暇つぶしに外をブラブラ歩いていた。


「あら〜、橘さん家のお嬢さんじゃない!」

「おば様、こんにちは。」
「確か今、夏休みよね?彼氏とか友達とかと遊んだりしないの?」

「遊ぶ予定はないんですよ。初日に、自由研究以外の宿題を殆どやってしまったんで暇つぶしに外を歩いてたんです。」

…と、近所のおば様と話こんでいるとおば様が心配そうな表情を浮かばせた。

「…まさかとは思うけど…友達がいないとかじゃないわよね?橘さん、昔から一人でいるの多かったし…」

「や…やだなぁ、おば様!友達くらいいますよ!!」

心配するおば様に対して、慌ててそう言った。

(父さん達もそうだったけど…なんで皆して私に友達いないの心配するのさ!?)

なんだよ、友達いるのがそんなに偉いのかよ!?…と思った瞬間、一人の人物が頭の中に浮かんだ。そしてある言葉が脳裏をよぎる。


『はい、最高のダチです!』


それは、会食のときに桐生が放った言葉だった。

(アイツがああ言ってるんだから、友達…なのか?)

友達の基準って何だろう?そう考えていると、誰かが私とおば様の間に割って入ってきた。

「よお橘!今、暇か?」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫