《MUMEI》 悩み事今までずっと独りだった 橘家の家業に携わる者や家の者、皆私のことを考えているようで考えていないから。 ずっと家のレールに縛られるのは御免だ。 だから、自分しか信じない。自分しか頼れない。 物心ついたころからこんな性格だったため、友達もロクにつくれなかった。 だけど…… 父さんとの賭けで入学した男子校で、 私に対して初めて色んな態度をあらわにする人達に出会った。 始めは桐生。 入学してすぐのテストで私が首席だったことに腹を立ててケンカをふっかけてくるお調子者。 次に彩原。 私と桐生のケンカを仲裁してくれたりしたお人好し。 ついでに委員長。 誰に対しても平等で、何事にも真剣に取り組むクソ真面目人間。 私にケンカ売る人も 私に優しくする人も 私に平等に接する人も 今まで居なかったから どう接すれば良いのか、心のどこかで分からなかった。 ただなんとなく、私なりに接していただけなのに… (何がいけなかったんだろう?) 家までの距離はそう遠くないはずなのに、何故だか足取りが重く感じたのは気のせいだろうか。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |