《MUMEI》
栞side
「ん…」

よく、寝た気がする

ガチャ…

「栞…?」

えっ…何で私の目の前にいるの?

よく見れば

私は昴の部屋にいた…

「具合は?」

昴が優しい……


あ〜そっか…

捨てちゃうから最後位はってことね

「栞?」

「何?昴はいいの?倉庫に行かなくて
ここに居たらダメじゃない」

いつも昴はここにいないじゃないと

いう意味も込めて言った


昴はひどく顔を歪めた

「ほら、早く行ってきて。総長がここに
居たら。下の子たち、悲しむよ」

スラスラと言葉は出てきた…

私の前からいなくなればいい

私はここから出ていってあげるから

だから、言ってよ!!早く!!

「しばらく、向こうには行かない」

何を言ってるの…?

しばらくは行かない…?

何を言ってるの?

「意味が……解らない……」

「俺はここに居る」

ここに居る……?

「昴は……ここに居ない……」

おかしいよ……!!

昴が倉庫に行かないなんてことあり得ない!!

私なんて!!いつもほったらかしで!!

「栞、一緒に居る。」

そんな言葉に惑わされるか!!

昴と私の間に一緒と言う言葉はない!!

どうせ、それも……
「どうせ!!それも!!嘘なくせに!!」

ずっと言いたかったことを言った

「嘘じゃない!!側に居る!!」

側……

「私は今も!!これから先も!!ずっと一人よ!!
側に誰も居なくていい!!
人が側にいたって また、同じことが起きる!!」

それなら……一人の方がマシよ!!

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫