《MUMEI》
昴side
栞がこんなになっているのに

何で気付かなかったのだろう


一人が嫌いと言っていたのに

「栞」

呼んでも栞は俺を見ない……

返ってくるのは……

「ほったらかしにしてよ!!」

ごめん……栞……

それでも……

「栞」

名を呼んでしまうんだ……


「自分の部屋に行く……」

俺を拒むように言った…

だが、栞の部屋にベッドはないはずだ

だが、栞は自分の部屋に行こうと

俺の部屋から出ていった

「栞!!」

ベッドのない部屋で寝れるわけがない

次に見たものは想像していたこととは違っていた

「!!」

栞の部屋にベッドが置かれて居たからだ……

二人で寝ると決めていたから

買っていなかったはずなのに…

栞は当然のようにベッドへ向かった

「昴が居なくても…自分で何とかできるように
なった……」

その言葉は俺の罪の重さを表していた……

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