《MUMEI》
狙い撃ち
午前7時半ごろ。

ジョーカーは、太陽の光を眩しく感じながらも草むらから起き上がった。


「ん……眩しい…」


だが、いくら太陽の光が眩しくて暖かくても、冷たい風が草むらを通るとジョーカーの身体がブルッと震えてしまうほど凍え死にそうな寒さだった。


「この寒い時期に野宿はやはり身体が堪えるな…」



身体に被せていたコートを再び着た瞬間、ジョーカーの腹時計が鳴った。


「そう言えば、二日前から何も食べてない…」



さすがのジョーカーでも丸二日飲まず食わずでは、身体に毒だ。

そこでジョーカーは、コートの内側にあるポケットから小さめの銃を取り出し、今いる草むらから一番近い食品店に忍び寄る。



「これは、生きるために必要なこと…!」




ジョーカーは今の仕事をし出してからずっとこのように食料を調達していた。


銃を持っていて、ましてや人殺しをしている人間がそう簡単に働ける筈がないからだ。


「…この地獄を、誰かに引き継がせるわけにはいかないからな……」



謎の言葉を呟くと、ジョーカーは食品店に乗り込んだ。




バァン!!!

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