《MUMEI》

「ああ、なんか彩原が橘とケンカしたって言ってへこんでたからさ、お前はどうなのかなって思って」

「……まあ僕も、ちょっとはへこんでたけどね」

「えっ…大丈夫か?」

「うん、大丈夫だと思う。…ところでさ、今から会えないか?話したいことがあって」

「は!?今から!?…良いけど……」



話というのは他でもない


彩原とケンカしたことを私の口からも桐生に言って、相談に乗ってもらうのだ。


今までの私からじゃ想像も出来なかったことだが、店長が、「友達にも相談したらいいわよ」と言ってくれたため、私は勇気を振り絞ってこの行動にでた。



「お…おー、今から橘ん家の近くまで行くわ」


最終的にはそう言って、電話を切った。
私も急いで外に出る準備をする。

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