《MUMEI》
駄目、ここはキケンだ
「へぇ〜、ワインっていう飲み物だったんですか!また飲みたいなぁ」

「もしもーし!?人の話聞いてる!?人間界に帰りたいってさっきから言ってるんですけどっ!!」

「ほらぁ〜私が淹れたお茶もおいしいでしょう?」



(だめだこの神様…人の話聞かねぇ!!)


会話の流れで、私は自然と無駄なあがきだと思いはじめた。


(どうするかな…トイレ行くって言って、ここ出るかな?)

ベタ過ぎかもだけど、このアホ神様だったらイケるかも…!


決意を固め、私は実行に移した。



「あの〜、トイレ行きたいんですけど…」

「トイレですか?廊下に出てすぐ左にありますよ」


(よっしゃあ!)

ようやく聞く耳を持ってくれた…と同時に、出ていくチャンスだ!


私は滝芽様に言われた通り、今いる部屋を出て左に曲がり、忍び足でそろりそろりとトイレを通り過ぎた。

(さて、出口探すか…)


あのアホ神様、ちょろいな…

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