《MUMEI》 「…そうだけど」 愛想笑いすら見せずに 無愛想に 彼は応えた。 そんな彼に私は 笑顔で話しかける。 「そっかぁ!あ、私この寮に住むことになった桜っていうの!よろしくねっ」 「…ああ、アンタが?」 どうやら彼は 新しい住人(私)が 来ることを 知っていたらしい。 彼の話によれば、 義母…つまり この学園の理事長に 予め花園寮に住むことを 知らされていたそうだ。 「俺は蓮華白。アンタと同じ、この春から高1になる。…アンタを案内するように言われてる。来い」 「あっ…ま、待って!」 どうやら彼…蓮華くんは 義母から案内役を 言い付けられたらしい のだが…… 私を置いて さっさと歩くその姿は 案内役と言えるのだろうか……? 前へ |次へ |
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