《MUMEI》

私は蓮華くんに
先ほどの言葉の意味を
聞こうとした。




……そのとき



ポーン…




エレベーターが三階で
止まり、ドアが開いた。



「あ…白くん!」



ドアの向こうにいたのは
長く茶色い髪を
後ろで縛った、
どこか頼りなさそうな
美少年だった。


わあ、またもや美形…




思わず見とれたが
私はまた
軽く挨拶をした。



「この寮の新しい住人の桜っていいます。」



そう言って私が
握手をしようと手を
差し出すと、
美少年はエレベーター前
から姿を消した。



…ん?




瞬間移動でも
したのか………!?








そう思ったとき、
かなり遠くから
さっきの美少年の声が
聞こえてきた。



「ぼ…僕、椿蘭っていいます。よろしくね、桜さん…」



声のする方を向くと、
エレベーター横の
階段の物陰に隠れている
椿さんが見えた。




「えっ…あの?椿さん…?」


「ごめんね桜さん…僕、女の子苦手で、半径五メートル以内に近づかれると反射的に逃げちゃって…」




女性恐怖症の人か…



「いえ、大丈夫です!」




子犬のようにビクビクと
している姿は
可愛らしく思えた。

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