《MUMEI》

「顔赤いけど……」


「みっ…見んな!!」



両手を顔に被せ、見えないように隠す桐生。


…ああ、なるほど…


桐生の弱点、見つけた。




コイツは素直に言われるとすぐ照れるんだな。


カワイイ奴だなぁ……



「はははっ!意外とカワイイとこあるんじゃん」

「カワイイって言うなっ!!」

「まあそれはどうでも良いんだけど…彩原と仲直りできるかなぁ」



話が脱線し出してしまったため本題に戻す。

…と同時に、彩原にちゃんと謝ることができるか、ちゃんと仲直りできるかが不安になってきてしまった。

そんな私の様子を察したのか、桐生は、らしくもない言葉をかけてくれた。



「お前なら大丈夫。」



肩を軽くポンと叩き、その一言だけが聞こえてきた。

…不思議と、桐生のたったそれだけの言葉が私の背中を押してくれた。



「…うん。夏休み終わったら、彩原と話すよ」



桐生のおかげで、彩原とのことは何とかなりそうだと思えてしまった。




そして私と桐生は話し込んだあと、それぞれ帰宅した。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫