《MUMEI》 「顔赤いけど……」 「みっ…見んな!!」 両手を顔に被せ、見えないように隠す桐生。 …ああ、なるほど… 桐生の弱点、見つけた。 コイツは素直に言われるとすぐ照れるんだな。 カワイイ奴だなぁ…… 「はははっ!意外とカワイイとこあるんじゃん」 「カワイイって言うなっ!!」 「まあそれはどうでも良いんだけど…彩原と仲直りできるかなぁ」 話が脱線し出してしまったため本題に戻す。 …と同時に、彩原にちゃんと謝ることができるか、ちゃんと仲直りできるかが不安になってきてしまった。 そんな私の様子を察したのか、桐生は、らしくもない言葉をかけてくれた。 「お前なら大丈夫。」 肩を軽くポンと叩き、その一言だけが聞こえてきた。 …不思議と、桐生のたったそれだけの言葉が私の背中を押してくれた。 「…うん。夏休み終わったら、彩原と話すよ」 桐生のおかげで、彩原とのことは何とかなりそうだと思えてしまった。 そして私と桐生は話し込んだあと、それぞれ帰宅した。 前へ |次へ |
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