《MUMEI》 「右に曲がればアンタの部屋だ」 「案内ありがと、蓮華くん!荷物少ないから自分で持っていくね」 蓮華くんから荷物を 受け取ると、 そのまま別れた。 別れ際に、 この花園寮のことを 色々教えてもらった。 「えっと、右に曲がれば良いんだよね」 軽めの荷物を両手で持ち 言われた通り エレベーターから 右に曲がった。 すると、私の部屋の前で ドアをじっと見つめる 私より少し背の低い 紫色のカチューシャを した、セミロングの 女の子が立っていた。 「あのー、ここ私の部屋なんですが…」 私の声に気づいたのか 目線をこちらに向けた。 蓮華くん、 椿さん、 美鞠さん… もしかしたら、 この寮の住人かな? だとしたら 最後の一人だ。 ちゃんと挨拶しなきゃ! 前へ |次へ |
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