《MUMEI》

「なな君がさー、バイトのせいもあるのか大人しくなったし、二人はてっきりもう……」


「もう、だなんて……
互いのキモチさえ解らないのに……」


「表情が曇ってるよ。らぶらぶなのに。」

国雄さんの口に合わせて煎餅の音が鳴る。


「あの……国雄さんは色んな性別の人と付き合ったことあるんでしょう?」

恥を偲んで大人の意見を聞いてみようかな……。


「うーん、固定観念に捕われてなかったんだね。それに今までのも付き合ったというか、セフレというか。」


「 せ……?」


「あ、何でもないから続けて続けて。」


「あのですね、
男と男で………………、えっちってどうするんですか?」

うわあああああ、これじゃ変態だよ……。目をつむる。自分のトラウマからちょっと話題ずらしてしまった……。
でも女の子と構造違うし、どうするかよく解らないのも事実だ。上手く聞き出して方法があるなら自分が反応する以外で七生を満足させたい。


「………………」

国雄さんが静止した。


「俺、無知過ぎですか?」

気まずいよう。


「二郎君、そこはなな君と話し合いさ。」




「な、七生には言えませんよ!恥ずかしい!」

それに失望させたくない。

「そう、じゃあ教えたげよーか?」


「本当ですか!」

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