《MUMEI》

「うっ…さすがに胃がもたない……」


ヨレヨレになって
エレベーターを降り
自分の部屋に帰る。







………パーティーでは
散々な目にあった。



美鞠さんの家の料理人が
色々料理を出してくれた
は良いけど、
美鞠さんに「早食い対決だー!!」と言われ
強制的に参加させられ、
胃が悲鳴をあげたり…


その後で紅薔薇さんが
お菓子をたくさん
持って来たり、
(断れなかった)


不意に椿さんと
一瞬触れただけで
椿さんは失神したり、
(部屋まで運んだ)



なんなの花園寮…っ!!


しかも蓮華くんは
いつの間にか
居なくなってたし!!



「なかなかのクセ者ね、皆…」



やっぱり皆、
お義母さんに言われた
から色々やってくれてた
のかもなぁ…


歓迎会だって、
美鞠さんに後で聞いたら
「理事長に言われたから」って言ってたし、


もしかしたら皆、
本心では
私のことあんまり
歓迎してくれてないの
かもしれないなぁ。





そう思ったら
自然と
涙がでてきてしまった。




うわ、涙でてきた…

駄目だ!
涙、引っ込め!!





私は……




独りでなんとかするって
決めたばっかりじゃん!!



私は気分を変えようと
寮の屋上に出た。

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