《MUMEI》

私は、彩原と仲直りできたからか、少々浮かれ気分になって店に戻った。

「店長、すみません!知り合いと長話してて…」

「全然いいわよ〜!」


幸いにも、店長からお叱りはなかった。だが、そのかわりにこの質問をぶつけられた。


「例のお友達と仲直りできた?」


一瞬ビクリとしたが、私は店長にも相談に乗ってもらっていたことを思い出し、きちんと説明した。


「そう、良かったわね〜仲直りできて!」

「はい、相談に乗ってくれてありがとうございました!仕事に戻りますね」


ウキウキ気分で仕事に戻る私に、店長は暖かい目をして見守ってくれた。




私は仕事に戻り、彩原のいるテーブルから指名されたため向かうと、彩原だけでなく桐生までもがそこにいた。


「なっ…!?桐生!?」



なんでここに…と言いかけたその時、私は、彩原と仲直りできたかどうか確かめに来てくれたのかも…と思った。


「良かったな、仲直りできて」


私のその勘は正しかった



「…おう!」


ひそひそと話していたら他の店員さんに「ちゃんと注文とってねー」と怒られたため、二人の注文を聞いていたが…


「なあ二人とも、仕事終わったら一緒に帰らないか?」


店員さんの言うことを無視して、私は二人に聞いた



「…そのつもりだったけど?」


と、笑う二人。


「OK!」


注文をとると、私はその場を離れた。





その日のバイト帰り、
私は、彩原・桐生と共に
途中まで一緒に帰った。


電話番号を交換したり
メルアドを教えあったり



とにかく楽しかった。





こうして、初めて友達と過ごした夏休みは終わった。
バイト等の経験もできて一石二鳥の夏休みだった。

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