《MUMEI》

たどり着いた寮の屋上は
夜なだけあって
まだ若干冷えていた。


…ちょっと寒いけど、
ここなら頭を
冷やせそうだ…



「ふう……」




綺麗な星空を見ながら
一息ついていると、
誰かが背後から
近付いてきた。





「なんでアンタがここにいるんだよ」



近付いてくる足音だけで
誰がきたのかは
予測できなかったが、
その声で後ろを
振り向いたら誰かは
すぐにわかった。




「蓮華くん!」


そこには、
何だか嫌そうに私を見る
蓮華くんの姿があった。





…この顔……




やっぱり私、
蓮華くんには絶対
嫌われてるよね……




「ここ、蓮華くんの特等席なの?」


「…別に、関係ないだろ」




さりげなく会話を
弾ませようとしたが、
蓮華くんの顔は
歪んでいく一方だった。




……これで確信した。









私は嫌われてる。

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