《MUMEI》

「ごめんね、すぐ退くから…」



やばい……
また涙がでてきた。

はやく抑えなきゃ……






気分転換にきたのに、
これじゃあ意味ないや…



そう思って
その場を離れようと
した瞬間……







「待てよ」




蓮華くんの横を
通りすぎる直前に
私は腕を掴まれた。


びっくりして思わず
振り向くと、さっきの
嫌そうな顔ではなく
今度は申し訳なさそうに
私を見つめる
蓮華くんの姿があった。





「嫌な顔して悪かった。…泣かせてごめん」




…その言葉は、
蓮華くん自身の
言葉だった。



質問にただ答える
だけの言葉ではなく、
まぎれもなく蓮華くんの
言葉だった…






「な…泣いてないよ!」



私は慌てて
服の袖で涙を拭いた。


「ここにいて良い?」


「…隣、座れば。」


「ありがと!」



私は蓮華くんの隣に
座った。



「蓮華くん、星好きなの?」


「…いや、単に落ち着くからいるだけ」


「確かに落ち着くよね」



そこで私はふと
あることを思い出した。



「ねぇ蓮華くん」


「ん?」

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