《MUMEI》

「案内してくれた時に、ここは問題児の住む寮だって言ってたよね?何で?」




見たところ、


美鞠さんは
ちょっと滅茶苦茶だけど
明るくて、
ムードメーカーっぽい


紅薔薇さんは
喋ることこそないけど、
気さくで良い人
っぽかった


椿さんは…
まあ、女性恐怖症だし
仕方ないとして、


蓮華くんだって
多少口が悪いだけで
案外優しいとこあるし








皆、とても問題児とは
思えないんだよね。


なのに何でだろう?








少しの間沈黙したため
私はさっきの質問を
取り消した。



「やっぱりいいや!さっきの質問、ナシね!」



蓮華くんの横顔は
安堵していた。


取り消して良かった…




しばらく経ってから
私は別の質問をした。



「ねぇ、蓮華くん」


「…今度は何?」


「蓮華くん、確か独りになりたいって言ってたけど、どうしてなの?」


「……」




またしても沈黙……






あぁあ〜……っ!!
仲良くなるチャンスだと
思ったのにっ!!



私は激しく後悔した。







「ごめん…今のは忘れてね……」



苦笑いしながら
私は謝った。

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