《MUMEI》 その紙には こう記されていた。 『私の電話無視するとは良い度胸ね。次無視したらどうなるか、解ってる?』 ……あの人は 俺を監視でもしてるのか だけど、このまま 無視し続けたら また何かがが飛んでくる 可能性があるな、 この文章を察するに… 俺は、今だ鳴り響く 電話音の方に近付き、 携帯を開いた。 ピリリリリ、ピッ… 「もしもし…」 嫌々ながらも、俺は 理事長からの電話に出た 「あらぁ、やっと出たわね〜」 「理事長、何の用ですか?こんな朝っぱらから」 「次ガン無視したら鉄骨飛ばすつもりだったけど、まあ出たなら良いわ」 鉄骨……!? この人の腕力 どうなってるんだ!? 「さて、本題に入るわ」 「あ…はい、何ですか」 「今日からあんたん所の寮に入る桜って子、寮の中案内してあげてね」 「はい…って、今日から入る!?聞いてないんですけど!?」 「当然でしょ、今初めて言ったんだもの」 またこの人は 何を言い出すんだ… 以前から、今みたいに いきなり事を進める のには慣れていたが、 またこうも 急な話をするとは… 「…いきなり過ぎじゃないですか?」 「手続きは既に終わってるわ。文句ある?」 「………」 仮にも、理事長に 逆らえるわけないだろ… 電話では返事せずに 心の中で呟いたその時、 「文句あるって聞いてんだけど?」 威圧感たっぷりに さっきより少し低い声で 二度目の問いがきた。 電話の向こうから シュッ、シュッ… という、風を切るような 音がし出した。 ……やばい。 ガチで鉄骨飛んでくる。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |