《MUMEI》

俺は寮のことを
ある程度教えた。


各階に住んでる住人
のこと

6階にある大風呂は
自由につかっていいって
こと

朝・晩飯は一階ラウンジ
で摂ること

そのほか細かい事色々…





一通り説明し終わって
俺は自室に戻った。


…と、
俺が自室に戻ったとき
なにやら窓から物音が
聞こえたため
近付いたら…





「はーくん、いるぅ?」


「どこから出て来てるんだよ…百合坂!」



半ば呆れ顔で
窓を開けた。


窓に張り付いていた
百合坂の顔が窓から
離れ、その体は
華麗に俺の部屋に入る。



「よかったぁ、はーくんいるね!」


「今回は何を企んでる」


「そんな恐い顔しないでよ〜!さくらんの歓迎会やるから、すぐに一階に来てって言いに来ただけなんだから」


「歓迎会?」


「理事長命令でね〜」



ああ、理事長命令か…

だが、百合坂は
歓迎会を待ち遠しそうに
してる様子だ。

理事長命令でなくとも
自らやっていた
であろう目つきをしてる


この様子を察するに、
俺も強制参加か…



窓を閉めながら
俺は了承した。



「一階行けば良いんだな?それは解った…だが、窓からじゃなく玄関から入れ!!」


「普通は窓から入るもんだよ〜」



ヘラヘラ笑いながら
平然と言う百合坂。






普通は玄関から入るん
だよ……!!

当たり前のことだろうが
このアホ!!



怒りはあったが、
面倒なことは避けたい
ため 堪えた。

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