《MUMEI》

ナイブ「フッ、俺を今までの俺だと思ったら痛い目見るぞ。」

ラクール「あっそ。」

ナイブは自信がある様だったが、ラクールは別に気にしてる様子は無かった。

ナイブ「言っておく。お前は俺には勝てない!!」

ラクール「あ〜、その台詞確か前俺も言ったっけな。そん時負けたけど。」

ナイブ「情けない。お前は負けたのに生きているのか。」

ラクール「生かされたんだよ。」

ナイブ「しばらく見ないうちにだいぶふぬけになったようだな。」

ラクール「はぁ…。めんどくせえからさっさとかかって来い[弱虫]。」

その言葉にキレたのか、ナイブはラクールに攻撃した。

ラクールに無数のナイフが飛んで来る。

しかしラクールはその全てのナイフを弾いた。

そして、ナイブに一瞬で近付き、鋭い突きを繰り出す。

その攻撃をナイブはかわそうとしたが、槍に触れた瞬間爆発が起きた。

………圧倒的にラクールの方が強かった。

そしてラクールは俺に近付いてきた。

ラクール「大丈夫か?」

俺は段々薄れていく意識の中で彼に少し笑いかけた。

ナイブ「まだ終わってなどいないぞ!」

奴の声が聞こえた瞬間、一つのナイフがラクール目掛けて飛んで来た。

ラクールは気付いていたかのようにその一つのナイフを弾いた。

すると、
ナイブ「かかったな!!」
という声ともに周りから無数のナイフが飛んで来た。

ナイブ「奥義、瞬時滅殺剣。」

その刃は俺に刺にも向けられていた。

風見「元々狙いは俺だもんな。」

もう終わりだと思ったが、ラクールは諦めていなかった。

飛んで来る刃を次々と跳ね返す。

そんなことが5分ぐらい続いた。

俺は少し顔を上げる。

そこにはラクールが血まみれの状態で立っていた。

さすがにあれだけの数の刃をかわしきれるわけがない。

しかも俺をかばってくれたわけで、俺はほとんど攻撃が当たることは無かった。

なんで俺をかばったんだ?

ナイブ「これでお前も終わりだな。」

ラクール「………手加減してやったら調子に乗りやがって。」

ラクールの表情からは怒りが伝わってきた。」

人間の俺でもわかる。

とてつもない威圧感だ。

少し離れたところにいるナイブという魔物よりも遥かに上の魔物みたいだ。

ナイブ「さあとどめだ!!」

奴はそう言ってさっきと同じ技を使ってきた。

またもやありえない数の刃が飛んで来る。

今度こそ終わりだ…、そう思った瞬間、すごい爆音がした。

俺の意識にも限界が近付いてきた。

だがその薄れていく意識の中、ラクールの声が聞こえた。

その声は俺に喋りかけている様だった。

ラクール「これからのことはあんたには見せられねえ。だからしばらく眠っててくれ。」

俺はその声を聞いたあと少し眠りについた。





しばらくして意識が戻ると一人の男が立っていた。

そしてその男の横には人らしきものが倒れていた。

そして立っている男は俺の視線に気付いたのか、俺に近付いてきた。

風見「……終わった……のか?」

そう呟いた俺にその男は?「ああ、終わったぞ。」
と答えた

声を聞いてわかった。

風見「……ラクール?」

近付いてきた男は静かにうなずいた。

確かにその男はラクールだった。

ラクール「もう安心していいぜ。」

風見「あいつは死んだのか?」

ラクール「いや、わずかだが息はある。」

風見「また狙われることとかあるんじゃないか?」

ラクール「あれだけ痛めつけたから大丈夫だろ。」

風見「てっきり俺は殺すかと…。」

ラクール「昔の俺ならそうしてたな。」

風見「昔?」

ラクール「ああ、昔だ。でも殺す必要がないなら殺さないほうがいいってある人に教わったんだよ。」

ラクールの言葉を聞いたとき一人の名前がうかんだ。

風見「黒狩さん?」

俺がその名前を口にした時ラクールは少し驚いた。

ラクール「よくわかったな。」

風見「なんとなく。初めて会った時黒狩さんと仲良さそうだったし。」

ラクール「本当にそう見えたのか?嬢ちゃんが言った通り会ったのは昨日ぐらいだぞ。」

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