《MUMEI》 歓迎会が始まり、 場は一気にパーティーの ように盛り上がっていた その間俺はというと、 ラウンジの片隅で ぽつんとお茶を 飲んでいた。 …よくまああれだけ 騒げるな、あいつら… 最も、あいつ(桜)は ただ振り回されてる だけだと思うが。 あぁあ…… 紅薔薇の誘い 断りきれなかったのか。 ただでさえ百合坂に 無理矢理大食いを 勧められたというのに… あっ! そっちには椿がいる… って、遅かったか。 あの野郎、ぶっ倒れた… って、あの2人は 歓迎会ってこと忘れて おもいっきり楽しんで やがるし!! …あいつ、一人で椿を 部屋まで運ぶつもりか? あぁぁあぁ… そんなふらつく足取りで 大丈夫かよ!? 心配だ…… ………と、 そこで俺は我に返った。 …やばい…… また心配モードに 突入してしまった。 ここに住んでる奴等は 何かと心配してしまう ような行動ばかり起こす 百合坂はいつも 窓から入ってくるし、 それ以外でもよく 問題を起こす有名人だ 椿は女に近付いただけで 失神するほど 女恐怖症で、学校では 常に男子クラスだし 紅薔薇は、一見 何も問題起こさなそう だが喋らないうえに 気配がないことが多い ため、ちょっと恐いし… 独りでいたいのは 確かだが、 こんな不安定な奴等を 見過ごすことができない のである。 ピルルル 「……またか…」 本日二度目の電話は またもや理事長だった。 朝のこともあるし、 無視するのは 止めておいた。 しかし、また 何の用事だ? あの桜って女の案内は ちゃんとやったし 皆も理事長に言われた事 文句言わずにやってたし …またなにかしらの 理事長命令か? 理事長への恐怖と 緊張が胸の中に 沸き上がったが、俺は 息を飲みつつ 電話に出た。 前へ |次へ |
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