《MUMEI》

「もしもし…」


「あら、今回は早く出たわね。今朝と違って」


「そりゃ、また何か投げられるのは御免ですから」


「素直でよろしい」


「で、また何の用です?」

「あっそうそう、明日から毎日桜の面倒よろしくね〜」



俺は目が点になった。


面倒みるって、
どういうことだよ…!?



「あの子、色々あってちょっと世間知らずなとこあるからさぁ〜」


「それは…俺以外の人に頼めば良いんじゃ…」



俺はなんとか
面倒事を回避しようと
努力したが、
理事長はそれを
受け入れなかった。



「あらぁ、ダメよ。」


「なんでですか!?」


「仮に美鞠、雫、蘭が世話役に抜擢されたらどうなると思う?」




百合坂は…
色んな意味で
振り回しそうだな

紅薔薇は…
根は良いやつだが
状況によっては
会話が成立しないな

椿は…
言わずもがな
論外だ



「……残ったのが俺ってわけですか」


「ピンポーン!当たり〜」



…ダメだ…


逃げる理由がない……

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