《MUMEI》

そこで私は2人を見てハッとした。


(しまった…今、私女だよ!!)



学校にいる間はちょっと分厚いブレザーの制服が盾になってくれていたから何も問題なかったけど、今は薄めの布地のパジャマだ。
いくらAカップで小さい胸といっても、この距離じゃ女ってバレる可能性が…!!


私は慌ててベッドに潜った。そんな私を見て、彩原がリンゴの皮を剥いている間に桐生が近付いてきた。


「おい、まだ体調優れないのか?」

「あ…ああ、まだ熱下がらなくて…」


(お願いだから寄るな!!)



女ってバレたらおしまいなんだ…桐生達には悪いが、隠し遠させてもらう!!


「ゴホッ…桐生、風邪うつるかもだから近付かない方が良いぞ」


実際はあまり咳をするほどひどくはなってない。寧ろ回復しつつある。

(悪い桐生、嘘だ…)


罪悪感が残りつつも、私はやり過ごそうとした。

だが、さすがは桐生…
思い通りに行動してくれなかった。



「えっ、ホントに大丈夫かよ!?ちょっと見してみろ」

「あっ…ちょっ!?」



桐生は、横になっている私のベッドの隅っこに座って私の額に自分の額をくっ付けた。


(か…顔、近い!)


桐生の、青紫色の髪が揺れ、そして私の目の前に桐生の顔がある。
そのとき、ほんの少しだけ熱が上がった気がした。


「んー…まだ少し熱いな」

「だから…風邪うつるって言ってるだろーが!!」



私は桐生に頭突きをかまして、再びベッドに潜りこんだ。


「いきなり何すんだよ!」

「いっ…てぇ〜、それはこっちの台詞だろ…」


お互い頭突きが痛かったため頭を抑えて悶え中。

そこへ、リンゴの皮を剥き終わっていつのまにか使用人から拝借したナイフで綺麗にリンゴを切ってお皿に並べて持ってくる彩原の姿が見えた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫