《MUMEI》
授業編
目が覚めると、
そこは見たことない
天井だった。



「あれ…ここ、どこ?」



私はむくりと
起き上がり、昨日の
出来事を思いだす。


あ、そういえば
昨日私、花園寮に
入寮したんだっけ…



「ここは花園寮だよ〜、さくらん!何寝ぼけてんの?」



この声は…美鞠さん!?


「美鞠さん、どこから入ってきたの!?」


「窓から入ったに決まってんじゃ〜ん」



まっ…窓から!?

普通玄関から
入るでしょ!!

というか、勝手に
人の部屋に入る時点で
不法浸入というやつ
だよね…



私は美鞠さんが
目の前に現れたため
ハッと目が覚め、
今日が始業式だと
いうことを思いだした。



「そうだ、今日始業式だった!準備しなきゃっ」



私は美鞠さんを
無視して制服に着替える

準備中、美鞠さんが
私に近づいてきたため
手を止めた。



「どうしたの?」


「ねぇさくらん、一緒に学校行こうよ!」


「えっ、一緒に…?」


「ダメかなぁ?」



まるで子犬がクゥーンと
鳴いて寂しがっている
ような顔で、
美鞠さんは私を見つめる


そんな目をされたら、
こう答えるしかないっ!!



「もちろん良いよ!」


「そっかぁ、じゃあ一階で待ってるね〜」



美鞠さんが
玄関に向かう。

良かった、帰りは
ちゃんと玄関から帰る
みたい……あっ!



「美鞠さん、待って!」


「ん?」


「一緒に行こうって言ってくれたのも、理事長から言われたから…?」


「ううん、私が勝手に決めたことだよ〜」



………!

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