《MUMEI》

「じゃ、私も準備しなきゃだから〜!」



美鞠さんは去っていった






……嬉しい


理事長に言われたから
仕方なくじゃなくて、
美鞠さんが
私を誘ってくれた。


少なくとも、
美鞠さんには
嫌われてないみたい。



……あ、白くんもかな




私は嬉しさで
ニヤニヤしてしまうが
準備を整えた。



「着方合ってるよね」



着た制服を鏡の前で
見回し、変なところが
ないかチェックする。



「…ん、異常なし!」



リボンの結び方も
合ってるし、
制服のシャツのボタンは
第2ボタンまでとめてる



「行ってきます!」



誰もいない部屋に
向かって言うと同時に
玄関を出て
エレベーターに向かう。







―数分後―



「お待たせ、美鞠さん」


「来たね〜さくらん!」


「さっさと行くぞ」



……あれっ!?

なんで皆いるの?



そこには美鞠さんだけ
でなく、蓮華くんや
雫さん、はたまた
遠くには椿さんまでいた


「学校に登校する時は、こうして集まるんだよ!」


『皆で学校行くの』



ポカンとした顔で
突っ立っている私に、
美鞠さんと雫さんが
教えてくれた。



「おい、先行くからな」



昨日同様スタスタと
歩いて、私達との距離が
一気に開く。


「も〜、はーくんはせっかちだなぁ!」


『行こ、桜ちゃん』


「あ…うん!待ってよ、蓮華くん!」



私達3人も
蓮華くんの後に続き
小走りしていった。

椿さんもその後に
続いた。
(少し距離を置いて)

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