《MUMEI》

ザワザワ…

ガヤガヤ…



教室に入ったとたんに
色んな人の話し声が
聞こえてきた。



「ゆっちゃん、おひさ!」

「ナナ!?中2のとき以来じゃーん!!」


「ゆっちゃんは寮生活じゃないもんね〜」




「おい、カワイイ女子いるか?」


「田中と綾瀬、良いスタイルだぜ」


「俺的ナンバーワンは中津さんかなぁ」





……どうしよう。

複数人のグループが
いくつかできていて、
独りでいるのは
私だけだった。


とりあえず、
自分の席に座ろう。




だけど、私の席には
男子が数人いて
しかもお喋りに夢中で
私の気配に
微塵も気付く様子はない

とても座れる
雰囲気ではなかった。




「ねぇ、そこ私の席なんだけど…」


私は勇気を出して
お喋りに夢中な男子に
話しかける。


「あははっ、でさぁ…」


「えー!?マジ?」



ダメだ、聞いてくれない




諦めかけたとき、
すぐ近くの席にいた
女の子達が
助けてくれた。



「ちょっと男子!その席はあんた達の席じゃないでしょ!?」


「困ってる人がいることに気付いたら?」


「なんだよ、今良い話して…」



女の子達が
お喋りの邪魔をしたため
私の席にいる男の子達が
振り向いた。

と同時に
私の存在に気付き、
少し慌てた様子で
席を立った。



「わ…悪い!」


「今退くからっ」



そして自分の席に
戻っていった。


助かった…

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