《MUMEI》

―――ハァッハァッハァッ…

二人の吐息と視線が熱を持って絡み合う

「…龍っ!///
私お風呂入りに来たのよ?!」

「…ああ。知ってるよ。」


―――ハァッ…ハァッ…

少し息が落ち着いてきたかに思えるが
依然として体は火照ったまま。


―――サッ…シュッシュッ…シュルッ

すると突然

龍が着衣を脱ぎ出したではないか

不覚にもネクタイを外す仕草に
色気を感じてしまった自分は
いつからこんなに変態になったのか
ほとほと呆れるばかりである。


「!?ちょッ!///龍っ」

初めての状況にどうしていいかわからず
あたふたするしかない全裸の自分。


「…俺が執事よろしくお嬢さんを
洗って差し上げようかと思って。」

そう言ってクスリと笑う龍。
気付けばあとはもう下着だけ……

「ちょっと待ってっ!?いきなり…っ///」


―――シュルッ…

パサリ。


フッ…と笑う龍。

思わず目を背ける。


だってこんなの絶対おかしい。

風呂場の脱衣場に一糸纏わぬ男女。

いくら男性経験に乏しい自分でも
ただならぬ状況であることは明白だ。



―――フワっ

「!?!?」

急に体が浮き上がる


気付けば龍のたくましい腕によって
見事にお姫様抱っこされていた

「ちょっと!降ろしなさいよ!」

背中と膝の裏、身体の片側側面に
ピッタリ密着するのは紛れもない
龍のゴツゴツした身体…。

その接着面は熱を持っている


「いいから行きますよ?…お嬢さん。」


手足をばたつかせるが空を切るばかり
抵抗は無意味であった


―――何かが起こる。

不安な癖にどこか少し火照った身体のまま
何かを期待しているような自分がそこにいた

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