《MUMEI》

「………!」



目が合ったとたん、
先生の顔には
驚きの表情が広がってた


…もしかしたら
私のオッドアイの瞳を
見て、
ビックリしたのかも。




そのときは
そう思っていた。




でも……

北島先生のその顔は、
懐かしさを帯びたもの
だったのかもしれない。





その表情の本当の意味を
知るのは、
ずっと先のことだ…






―体育館―




「かったりぃよなぁ」


「しっ!静かにしろよ」


「まだ終わらないの?」



校長先生の挨拶を
だるそうに
聞いている生徒達。


長々と話す挨拶に
私も次第に
飽きてきたとき、
とある人物が
問題を起こした。



「皆、ちゅーもーく!」



その人物とは
美鞠さんだった。

美鞠さんは
いつのまにやら
校長先生の隣に立って
マイクを
ぶんどっていた。


「君、何をしてるのかね!?降りなさい!!」


すぐ下にいる先生達が
美鞠さんに向かって
カンカンに怒っていた。


「あの人って、花園寮の問題生徒だよね?」


「またやらかしてる…」


「でもあの子、面白いから良いよな〜」




生徒からは賛否両論。


なっ…何をしてるの、
美鞠さん……!!

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