《MUMEI》 聞かれた名前だけをそのまま端的に答えて返すと 三浦の名前も教えてほしいと続けてくる そこで三浦の方も名乗っていなかった事に気づき 「三浦 士郎。士郎でいい」 漸く互いの名前が互いに知れた 「士郎、君」 三浦の名前を確認するかのように読んでくる相手・佐藤 その瞬間、佐藤の表情が安堵した様なソレへと変わっていく ああ、矢張りこの少女は人に飢えているのかもしれない だからあの場所で誰かに声をかけてもらえるのを待っているのだろうと なんとなく分かった様な気がして、三浦は僅かに肩を落とした そして徐に持っていたカバンからボールペンを取りだすと テーブルの上に散らばっている広告、裏が白いソレを見つけ何かを書き始める 「何、書いてるの?」 覗き込んでくる佐藤へ 三浦は回終えたらしいソレを佐藤へと渡してやる 何なのだろうかと佐藤がソレを覗き込めばそこに 携帯のメールアドレスらしいソレが書いてあった 「……コレ」 「なんかあれば、メールして」 話し相手位にはなるからと三浦 その髪を渡してやれば佐藤は瞬間呆然としてしまったが 「……ありがと」 すぐに笑みを浮かべて見せた その笑みに三浦もついつられて笑う声を漏らし 互いにしばらく笑いあうと、改めて食事を始めたのだった…… 前へ |次へ |
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