《MUMEI》 元気になった私は、少しずつ他の子供たちとも話せるようになった。 その男の子の名前が、将太だと知った。 大好きだった兄とおなじ名前だった。 将太は私のことを、“はる”と呼んだ。 兄と同じ呼び方だった。 年は一つ年上だった。 将太は、運動が苦手だったが、勉強ができた。 よく学校の宿題を手伝ってもらった。 施設では、優しい性格から、みんなのお兄ちゃんだった。 学校での友達は少なかった。 学校の休み時間、校庭から将太のいる教室を見ると、将太はいつも窓際の席で本を読んでいた。 、 前へ |次へ |
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