《MUMEI》

バレンタインデーでは、チョコレートをたくさんもって帰ってきた。

胸がいたかった。

将太は毎年、この日は特に優しかった。

「はる、後でいいものあげるよ。」

毎年必ず、私だけに内緒でクッキーをくれた。


私はホワイトデーにお返しでチョコレートを内緒であげることにしていた。


雪が積もると毎年おおきな雪だるまを作ってくれた。
それが、施設での雪遊びの合図だった。

みんなでかまくらをつくって、その中でお菓子を食べるのが恒例だった。





春にはみんなでお花見をした。

「春だけにはるは桜が似合うね。」

将太は毎年言っていた。




夏休みには、みんなでプールに通った。
将太は泳げなかった。
みんなが行きたいと言うのでしぶしぶ付き合ってくれていた。

夏祭り、花火、たくさん遊んだ。






前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫