《MUMEI》 同じ小学校だった将太は6年生に。 私は5年生になった。 今年のバレンタインデーにも将太はチョコレートをいっぱいもって帰ってきた。 毎年機嫌のわるい私。 施設の子供たちに分け与える将太。 「はる、後で渡したいものがあるから、俺の部屋来て?」 将太は、毎年バレンタインには、クッキーをくれる。 将太の言う“渡したいもの”が、何かは分かっていた。 「いい。いらない!」 将太がたくさんの女の子から想いをよせられていることにずっとモヤモヤしていた。 いつでも私だけの将太ではなかった。 部屋に閉じこもる私。 「ちょっと、はるちゃんどうしたのー??」 「開けてよー!」 同じ部屋の女の子たちがドアの外で騒ぎだした。 何分かたつと、静かになった。 “コンコン” 「はる、開けて。」 将太の声だった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |