《MUMEI》

(い…いかん!!衝動のままに動くな自分!!こいつは男だ、ドキドキするな!!)


俺はホモか!?さてはホモ属性のイケナイ系男子だったのか!?……と、心の中で悶えてしまう俺。


今まではこんなことなかったのに、勉強会から橘に対して何かが違う気がするんだ。

……多分、その気持ちには気づかない方が良いと思う。

きっと、良くも悪くも取り返しのつかないことになる。よくわからないけど、それだけは頭の中をよぎっていた。




「ただいまー」


誰もいない家の中に入る


俺は帰るたびに募る寂しさを押し殺し、さっさと自分の部屋まで歩いていった。


「はぁ…最近橘に対してだけ変な動機がするなぁ」



制服を着たままベッドに突っ伏した俺は、ちょっとデカイ声で独り言を言っていた。私服に着替えなくては、という気持ちより早くに眠気が俺を襲う。



(きっとあれは気のせいだ…きっと、そうだ…)


友情を最優先にする俺にとって、それ以外の感情は不要に等しい。

ましてや、どんなカタチでも恋愛などの感情はとても厄介だから、そういうのには関わりたくない。


だって、ドロドロのグチャグチャばっかりじゃん。

(漫画の読みすぎ&表現ヘタな桐生)



橘とは友達。それだけはずっと変わらない…


だから、この関係もこの日常も、壊れないで。

俺の願いはそれだけだ…



俺は次第に眠りについた

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