《MUMEI》
文化祭実行委員
「じゃあ順番にくじ引きするぞ〜」



担任の先生がクラス一同に向かって、大きな声で言う。皆、順にくじを引いていく中、俺は後ろにいる桐生にヒソヒソと話していた。


「文化祭実行委員をくじ引きで決めるなんて、ベタだなー。漫画と同じだ」


「桐生、漫画の読みすぎだ」



そう、今日から文化祭の準備が始まる。今は文化祭実行委員を決めるくじ引きでクラスの皆は面倒くさそうにしていた。


(正直、私も面倒くさい)


実行委員なんて面倒なこと誰も引き受けないだろう。くじ引きで決まっても、だるそうにやる気のない行動をとるだけだ…特に、ここ男子校では。



(まあ、今までもくじ引きでアタリを引いたことはないし大丈夫だろう)


血筋ゆえに、勝負ごとには割と運が良い私。



「次、橘〜」

「あ、はーい」


私は余裕だといわんばかりの顔でくじ引きの箱の中をがさがさと漁る。数秒後、一枚の紙を取り出した。

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