《MUMEI》 「三浦 士郎さん、ですよね」 翌日、大学からの帰り道 ふいに声を掛けられ三浦は帰路に進めた脚を途中止めていた 振り返ってみればそこにいたのは一人の女性 なんとなく見覚えがあるのだが、何処で在ったのかが思い出せずにいた 相手をつい凝視してしまえば 「佐藤 華の母親です。この度は娘がお世話になってしまったようで」 頭を下げられ、要約思い出した 慌てて三浦も頭下げ、互いに挨拶を交わす 「……俺に、何か用ですか?」 大方、佐藤の事だろうと思いながらも一応尋ねてみれば 母親は徐に何かのカギを三浦へと手渡してきた 何の鍵かと問うてみれば 「ウチの、鍵です。吸いません、あの子の事、待っててやってくれませんか?」 突然の申し出 何故、と三浦が怪訝な表情を浮かべてしまえば 「変な事をお願いしているのは分かってます。でも、お願いします!」 母親は詳しく離す事はせず頭ばかりを下げる 仕方がないと三浦は溜息を付き、それ以上聞くことはせず鍵を受け取っていた わけが、本当に分からない ありえないその現状に、糸野は改めて深い溜息を吐いてしまいながら 預かってしまった鍵を手の平で遊ばせながら佐藤のアパートへと向かったのだった…… 前へ |次へ |
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