《MUMEI》
最悪だ…
取り出した一枚の紙の中心には赤いマルがあった。


「お、橘がアタリ引いたな」


(馬鹿な…この私がアタリを引いただと!?)



このとき初めてくじ運に裏切られた……



精神的ショックと面倒事への苦々しい思いで石化していく私をよそに、くじはどんどん引かれていく…のだが、視界の中に私と同じく沈みきった様子の人物が。


「橘ぁ…俺昔からくじ運悪くてさぁ…」


ピラッと紙を見せてきたのは桐生。その紙にはちょうど私の持ってる紙と同じく赤いマルが。

私は即座に手を挙げ、先生に申し出てみた。



「先生!僕ら辞退したいんですけど」


「決まったことだから、無理だよぉ〜はははっ」



穏和を装う頑固ジジイ教師にやんわり断られた。

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