《MUMEI》
「聞くか!ちゃんと聞くか!怖がんねーで俺の話聞くかー?」
もうダメ!
むっちゃダメ!!
「止めて、あははは、聞く…
聞く…、アハハハハハ!もうムリ!止めてよー!アハハハハハ!」
▽
「ちゃんと起きてっときは擽ったいんだな」
伊藤さんはくわえ煙草のまま、俺に毛布をかけてきた。
俺は毛布をきつく掴み、くるまる。
「起きてる時はって…俺が寝てた時も擽ったんですか…」
「はは、擽ったさ…、だってこれからお前の事抱くぞーってーときに…
いきなりお前寝ちまうんだもん…でも、
揺すろうが擽ろうがお前…全然起きねーでよ…」
「え?」
今…今…何て…
え??
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