《MUMEI》

「聞くか!ちゃんと聞くか!怖がんねーで俺の話聞くかー?」


もうダメ!



むっちゃダメ!!





「止めて、あははは、聞く…
聞く…、アハハハハハ!もうムリ!止めてよー!アハハハハハ!」















「ちゃんと起きてっときは擽ったいんだな」




伊藤さんはくわえ煙草のまま、俺に毛布をかけてきた。




俺は毛布をきつく掴み、くるまる。




「起きてる時はって…俺が寝てた時も擽ったんですか…」



「はは、擽ったさ…、だってこれからお前の事抱くぞーってーときに…
いきなりお前寝ちまうんだもん…でも、
揺すろうが擽ろうがお前…全然起きねーでよ…」




「え?」






今…今…何て…



え??







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