《MUMEI》
お仕事 栞side
繁華街を歩いている
人しかいない一人ではないと思えるから
ここは好きだ
たびたびここには来ていた

「ねぇ、あんた行くとこないならうちに来ない?」

とても綺麗な人に呼ばれた

「あの何で行くとこがないと分かったんですか?」

「長く生きてるとね。一目で分かることがあるんだよ」

この人は信用して良さそうだ

「それにあんたのことは知ってる
。本郷栞。私は九条 綾 。昴の母親だよ゜」

昴のお母さん……
まさか!!昴が!

「安心しな昴には言わないよ。
あんたは私の親友の子だ。昴が捨てたなら
あいつはそういうやつだ。九条には要らない。
今回のことであいつも反省して栞を探すなら
隠れてやろうじゃないか。
栞のことは九条組が責任もって預かる」

「綾さん…。あの!!でも、昴に見つかるんじゃ!!」

「大丈夫。栞には私が経営してる店で働いてもらうし
それに家は会員制。私が信頼してる人しか来ないよ」

昴は私を見てくれない
愛してない……
会わないなら……

「働かせて下さい。」

「よし。今日からあんたは凛華だよ!!
凛々しく咲く一輪の華。顔がいいから
ぴったりだよ。」

綾さんは私の頭を撫でてくれた
なんだか嬉しかった
私はまた一人になりたくない
凛華にふさわしいようにがんばなきゃ

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