《MUMEI》
1.謎の追跡者?背後の足音!
私の記憶の中で最も古い不可思議な体験は、私の幼稚園時代に遡(さかのぼ)ります。


その頃私は父が勤める会社の木造の社宅に住んでいたのですが、この木造2階建てのアパートの構造が、今だったら(誰も住まねーよ、こんな所)といった所でした。


いったいどんな所かと言えば、一応部屋は独立しているのですが、玄関とトイレは全住民の共用、風呂は無し(よく父の自転車の後ろに乗せられ、近くの銭湯に通っていたのをおぼえています)
とゆう体で、今時のレオパレスなんかに慣れちゃってる人達なら耐えられない環境なのでは無いでしょうか?


いや、決して風呂無しのアパートに住んでいる方への偏見で言っている訳では無いよ?
いや、個人的意見を言わせてもらえるならレオパレスなんかに住んでて、自主独立の精神が養われるか?!
風呂無しアパートで頑張るあんたの方がえれーよ!そちは武士じゃ!
なのですが....


脱線しました。


そんな風呂無しアパートではあったのですが、子供とゆうのは適応力があるのでしょうね....風呂無し、玄関トイレ共用のアパートでも憂(うれ)う事なく、毎日を無邪気に暮らしていたわけです。


そんな無邪気な幼稚園児の私にも、ちょっとした悩みがありました。


社宅内の共用トイレに行くのが、怖い。
いえ、トイレに花子さんが居たからとかそんな理由ではありません。
当時世間では、まだトイレの花子さんの存在は確認されていませんでした....あ、今もか?!


昼でも夜中でも関係なく、トイレに行く時だけ....外出する時には起きない 、無邪気な幼稚園児の私を恐れさせる怪異な現象があったのです。


当時住んでいたアパートの部屋のドア外は、そのまま室内の木造の渡り廊下になっており、2階の部屋に住んでいた私は薄暗い照明の中をスリッパを履いて、用を足す度に階下の共用トイレに 通わなければならなかったのですが、

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